愛犬のしつけ
犬のしつけは、人も犬もお互いが楽しく暮らすために欠かせないことです。
犬は、人間社会で安全に生きていくための行動や振る舞いを知らないからです。
犬のほうからすれば、しつけをしてくれないとじつは困ってしまうのです。
人も犬も楽しく安心して暮らしていくためにどんな行動や振る舞いをすればいいのか。
それを教えるのがしつけです。
逆にいえば、犬をしつけるとは、人と犬とが、楽しく、安らいで暮らすことでもあります。
また、犬が人間社会で暮らしていく上で必要になってくるのは、人の社会に犬が慣れていくということです。
人間の暮らしには、ルールやマナーが存在します。犬もそれに合わせていく必要があります。
人の暮らしを脅かすようなことがあっては、共に楽しく暮らしていくことはできません。
たとえば、夜中に無駄吠えを続けたりすれば、近所迷惑になりますし、人を見て飛びかかったりすれば、人にけがをさせることにもなってしまい危険です。
このようなことがないように犬を管理することは、飼い主の大切な役割であり責任です。
しつけには人と犬との信頼関係が必要になってきます。
つまり、犬が安心してこの飼い主さんについていこうという気持ちがあるかどうかです。
犬が飼い主の言うことをきくのは、飼い主を信頼しているからです。
どのように信頼関係をつくればよいか?
それは、飼い主さんといると楽しく生きていけるという体験を通じて生まれます。
つまり、飼い主さんのもとにいると・・・
・きちんと食事が与えられる
・危険な目にあうことがなく安全
・楽しい
ということです。
犬の食事や安全面をしっかり管理して、いっしょに遊んで楽しい思いをさせてあげると、信頼関係が生まれ、しつけをしやすくなります。しつけがうまくいくと信頼関係はさらに高まってきます。
犬は、管理されることで、精神的に安定し、飼い主さんへの信頼を高めていきます。
ですから、日常生活全般において、主導権(管理すること)が飼い主さんにあることを犬に感じさせることが大切です。
ボス=「信頼される飼い主」になるためのポイント
1.飼い主に注目させる
愛犬の名前を呼び、アイコンタクト。
目があった瞬間にほめて、名前を呼ばれたらいいことがあると思わせる。
飼い主の目を自分から見るといいことがあると教えるのです。
飼い主をリーダーと認める気持ちも強化されます。
2.食事をしっかり管理して与える
飼い主さんといると、本能的な欲求が満たされると伝えることです。
飼い主さんが食事を終えた後に、犬に食事を与える。(飼い主に主導権があると思わせる。)
3.寝る位置は人よりも低く
犬のふだんの位置や寝る位置(場所)は人よりも低いところにする。
目線が高くなることで、優位性や支配感を出させないようにするため。
4.犬に通り道を譲らせる
家の中などで、寝たりしている犬をよけたり、またいで通ったりしない。
名前をやさしく呼ぶなどして場所をあけさせましょう。
5.出入りは飼い主が先
玄関での家の出入りや自動車への乗り降りなどは飼い主が先になるように。
飼い主に主導権があることと安全を確認するためにも必要なことです。
6.しつけに一貫性を
飼い主の気分や状況でしつけ方を変えたりしないこと。
同じ行動でもある時は許したり、ある時は禁止したりと一貫性がなければ犬の信頼は得られません。
7.いっしょに遊ぶ
ボールを投げたり、おもちゃを引っ張り合ったりなどして犬と一緒に遊び、「楽しい飼い主さん」を印象づけましょう。
おもちゃを使った遊びを終える時は、最後に飼い主の手におもちゃがくるようにして終えること。
8.スキンシップする
体のどの部分でも触らせるようにする。
信頼関係の強化にもつながっていきます。
大切な子犬の社会化期
犬の性格形成には犬の幼い頃の生活環境が大きく影響します。
人間も子どもの時期の経験や環境が大きく影響するのと同じですね。
犬では生後3~12週齢の時期が、特に「社会化期」として最も大切と考えられています。
群れで暮らす動物である犬は、むだな争いごとを避けるために、犬同士がお互いの意志や感情を表現し、理解させるためのコミュニケーション能力を発達させてきました。
しかし、この能力は生まれながらに身につけているものではなく、生後3~12週齢ごろまでの「社会化期」に子犬が母親や兄弟と一緒に過ごすことで学んでいきます。
また、この時期に人間だけでなく、その他の様々な種類の刺激(音、におい、場所など)に慣らしておくと、将来もこれらのものを受け入れやすくなり、怖がったり、攻撃的になったりすることが少なくなります。
すなわち、この時期は、多くの刺激や経験から、犬同士だけでなく、人や周囲の環境など、さまざまなものに対する適応能力を身につける大切な時期なのです。
逆にこの「社会化期」に十分な経験をしていないと、見知らぬ人やものに警戒心を持ち、極端に臆病になったり、攻撃的になったり、また、触られることを嫌がったりするなど、成長してからさまざまな問題行動を起こすようになることもあります。
「社会化期」の過ごし方が後々の生活に大きな影響を与え、その犬の一生を左右すると言っても過言ではありません。
ペットショップの店頭で販売されている犬の中には、見た目に一番可愛らしいとされる、40日齢前後で市場で競り落とされて、ペットショップにやってくる子犬が本当に沢山います。
ワクチンを打つ前の幼齢期にペットショップに買い取られ、病気を持っていないかどうか、潜伏期間の約10日ほどを店舗のバックヤードで過ごす子犬もいます。
そして、ショーケースに入れられ、長時間蛍光灯の光を浴び、本来キレイ好きな動物なのにトイレの掃除もすぐにしてもらえない。
さらには、多くの人の目にさらされ、不特定多数の人に触られたりします。
これらの環境が、生後間もない子犬にどれだけのストレスを与えるでしょうか?
この大切な時期の大半をこのように過ごす子犬の「質」はどうなのでしょうか?
子犬が悪いのではありません。
ペットショップの流通経路や販売方法によって、子犬の「質」を低くしてしまっているのです。
まだ親の愛情を目一杯受けて育つ時期であるにも関わらず、一番の売り時だという、人間サイドの事情によって、こんなに早期に売買されているのです。
子犬を迎えるギリギリのときまで、ブリーダーさんのところにいれば、親・兄弟から主従関係を学び、ブリーダーさんからトイレや人間との接し方を学びます。
だから、しつけのしやすい良い子犬になります。
人間社会で上手に暮らすことを理解した、良い子犬になります。
このように、子犬とって大切な「社会化期」をどのように過ごしたかが重要になってきます。